フィリピンでトライシクルドライバーに通常の10倍の金額を支払った話

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書いた人: タナカユウ(@tanakayu30)@フィリピン

 

フィリピン

 

大事なことを私に教えてくれた場所。

 

 

現在私は会社が辛すぎるので、「ちょっと会社休みます」と上司に伝え

9日間の休暇に入っています。(土日2日+有給休暇5日+土日2日)

 

てなわけで、できるだけ会社から離れた場所に行こうととりあえずフィリピンに来てみました。(もちろん、友達いないので1人で)

 

で、タイトルにもありますが、

滞在する中でトライシクルと言われる乗り物のドライバーに

ワケあって通常料金の10倍の料金を支払ったので、今回はその話を書いていきたいと思います。

 

それではいってみましょう。

 

 

フィリピンのトライシクルドライバーに通常の10倍の金額を支払った話

 

 

そもそもトライシクルって何?

 

まずはここから!トライシクルってそもそも何?というところからですよね。

 

トライシクルとは簡単に言えば、3輪自動車のことで

フィリピンをはじめとする東南アジアでは良く走っている乗り物です。

ちょっとした移動などで、使われます。

日本のタクシーみたいな位置づけです。

 

↓これね。

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私は日本食レストランに行きたかった

 

でね、私はねフィリピンにいるにも関わらず日本食レストランに行こうとしてたわけですよ。

 

で、googlemapの調子が悪くて、行き方がわからなくって

 

「どうしよう。どうしよう。」

「お腹すいたなあ。暑いし。」

 

みたいに思ってとぼとぼ歩いていたわけです。

 

そんな時に現れたのが彼だった

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↑ジプニーと呼ばれる乗り物(日本のバスのようなもの)

*一切話には関係ありません。

 

その名をトライシクルおじさんとする。以下:トラ男

 

どうやって行けばいいのか分からなくって、途方に暮れていた私に彼は、私にこう話しかけてくれました。

 

トラ男「hello,tricycle?(やあ、トライシクル乗るかい?)」

 

日本食男「yes,i would like to go this japanese restarant.adress is this.do you know how to get there?(うん。この日本食レストランに行きたくってさ。住所はこれなんだけど、行き方ってわかる?)」

 

トラ男「ofcourse.come in come in.(もちろんさ。乗って乗って!」

 

日本食「since it's 1km from here,maybe 100peso?(ここから1kmくらいの場所だから、300円(100ペソ)でいいよね。」

 

トラ男「okokok,((^^)/)」

 

このような会話を経て、やっと目的地である日本食レストランに行けると私は安心していたのでした。

 

でもね、

でもですね。

 

 

つかない

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バスの内部(フィリピン人は座席は前を好むので、後ろはがら空きです) 

*一切話には関係ありません。

 

 

全っ然つかないんですよ。

1kmだったら、10分あれば到着するはずなんですが、10分経っても、15分、20分経っても到着しないまま、どこに行くんだろう。と思いながら私は揺られていたのです。

 

ゆらっゆらっゆら~心は揺れる~。を口ずさみながら

 

 

つかないのは変わりはない。けど、気付いたことがあった

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歩く人々の後ろ姿

*一切話には関係ありません。

 

30分くらい経ってもまだつかないのは変わりません。

彼は一体私をどこまで連れて行くのでしょうか。そんなことを思いながら私はトライシクルにまだ乗っていました。

 

彼は、行く場所行く場所でトライシクルドライバーの友達と雑談を繰り返していた

 

でね。このドライバーはですよ。予定時刻20分以上も過ぎているのにいろんなとこで雑談するんですよ。フィリピン語で。

 

トラ男「ksjふだすhgysf?sjdgyg?」

 

もう何言ってるのかわかんないんです。

 

5分経ったら、また楽しそうにペラペラと道でであった友達と話してるわけですよ。

 

トラ男「jかshだdぎ。dhhgg。ahahahahahaaaaa」みたいな。

 

3分後にまた、楽しそうに誰かと話し

数分後にも

そしてその数分後にも

 

彼は誰かに話しかけ、そして笑うのです。

 

私が一般的な日本人なら「おいこら。何わらっとんねん。下半身さばいたろかわれぇえぇぇぇ。」くらいに思っていると思うのですが、

 

私自身は、これ、私じゃない日本人が乗ったらブチ切れられてるなあ。この人。まあ暇だしいっか。とか思いながら、揺られていました。

 

けど、ふと聞こえたワードがあった

 

どんな会話してんだ?と思って耳をすませて会話を聞いてみると聞こえた言葉がありました。

 

それが「japanese restaurant!」でした。

 

あ、なるほど。そういうことかと。

 

そう彼は、日本食レストランのある住所のことをまったく分かっていなかったのです。

だからこそ、色んな人に話しかけて説明し、どこなのか聞いて回っていたのです。

 

近くに行ったと思えば、誰かに話しかけ確認し、

 

そして、もう少し近づいたと思ったら誰かに話しかける。

 

その繰り返しをしていたのです。

 

何度も何度も。

 

本当に何度も何度も。

 

40分かけてその目的地に到着した。私は通常料金の10倍の金額を支払った

 

で、やっとの思いで日本食レストランに到着したわけです。

やったあ。到着できてよかったなあ。って私は思ったわけです。

 

普通なら、100ペソ(通常料金300円ほど)で良いと思うのですが、(むしろそれより少なくてもよいかもしれない)

 

私は、誰から言われるでもなく彼に1000ペソ(3000円ほど)支払っていました。

 

え?到着時間遅れてるのに、なんでって思う方もいると思うので、説明していきますね。

 

 

ことの発端は知識0なのに、仕事を引き受けたこと

 

なぜ、10分で着く場所に、40分もかかったのかというと、

彼が目的地の場所を知らないままに、私を運ぶという仕事を引き受けたからです。

 

言うなれば、知識0の状態で仕事を引き受けたからです。

 

全然、日本食レストランの場所なんて見当もついていないのに

「ofcouese!(もちろんさ!)」とかドヤ顔で言ってるわけです。

 

たぶんね、多くの人は

ちゃんと場所がわかるなら、仕事を引き受けていいけど

分からないことを分かるとか言うのってどうなの?

 

っていう感覚を抱くと思います。

おいおいしっかりしろよ。って感じると思います。

 

けどね、皆さんに思い出してほしい事があって、

 

それが、以下の事です。

 

彼は私を日本食レストランに送り届けた

 

もちろんね。きちんと場所を知った上でお客さんを運んだ方がいいとは思います。

自分ができることをできると言い、できないことはできないと伝える。

そうすれば迷惑を人にかけなくてもいいし、自分自身も失敗はしないから。

 

でもね。少し考えてほしい事があります。

それが彼が、時間に多少の誤差がありながらも、私が行きたい場所に届けてくれたということです。

 

彼があの時声をかけてくれていなかったら、私は未だにとぼとぼと道を歩き続けているかもしれません。

 

彼視点で言えば、

もし、あの時、日本食レストランの場所をしらないからといって、

私を乗せることをしなかったのなら、彼は今もその日本食レストランの場所をしらないままだし、1000ペソというフィリピンでは結構な大金(フィリピンでは1食50ペソとかで食べられる)を受け取ることも無かったのです。

 

でも、あの時あの瞬間の「ofcourse.(もちろんさ。)」があったから

次は日本食レストランにお客さんを送り届けられるだろうし、結果お金も手に入れられたのです。

 

彼は、

仕事を失敗して被る損失(わたしを目的地に送り届けられなかった場合の自身の評価の低下)

仕事に成功して得られるメリット(報酬や得られる知識)を天秤にかけ、

 

そして、自分自身に「自分はやれる。」と確固たる自信があったらからこそ

ofcourseとあの時言えたのだと思いました。

 

その、チャンスにきちんと手を伸ばす勇気って大事なんじゃないかと私は感じました。

 

最後に:自分を信じて見切り発射する勇気を私は彼から学んだ

 

知識0、経験0でも、手を伸ばしてみてもいいんだな。

そう彼から学ばせてもらいました。

 

私達は、初めてであったことに対し以下のような反応をすることがあると思います。

 

「いや、はじめてだし。」

「え?やったこないんだけど?」

「無理無理」みたいな。

 

そうやって、初めてを初めてのままにしておくと

来年も再来年も「いや、無理だし」って言ってると思うんです。

たぶんずっと先の未来だって。

 

だからこそ、フィリピンのトライシクルドライバーのように

「ofcourse!(もちろんさ!)」って不確実なものに手を伸ばしてみる勇気というのは大事で、

 

そうやって初めてのことに挑戦して、新たな知識、経験を得て

そうやって初めてを潰していくからこそもっと遠くに行けるようになるんです。

 

もっといえば、そういった準備が整わない状態でも一所懸命にどうにかする過程って価値があるというか、人を魅了するんじゃないかって思います。

 

だからこそ、私は彼に通常の10倍の料金を支払いました。

彼がきちんと目的地を知っていて、きちんと時間通りに私を日本食レストランに送り届けていたのなら、私は彼に価値を感じていませんでした。

 

彼の、自分を信じて見切り発射した勇気に私は価値を感じたんです。

 

私達も、そろそろ安全地帯から抜け出す時間なのではないでしょうか?

 

そう思わされた瞬間でした。

 

今回は以上です。では 

 

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